みかぶし。

TW2『シルバーレイン』で活動中の南・成実(b80160)と同背後キャラ、及び背後の呟きや雑記。

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2011.09.05 Monday

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2009.09.30 Wednesday

某ゴーストタウンにて。

 止める暇もあればこそ。
 一瞬の隙を突いて前衛の横をすり抜けた妖獣の豪腕が、竜彦めがけて振りかぶられる。
 勿論、むざむざ喰らうような可愛げは彼にはない。
 彼我の実力差を鑑みれば、まともに貰う事の方が少ないような一撃だ。が、戦場に『絶対』はない。
 愛用の錫杖を構え、唸りをあげる豪腕を捌こうとするも――
 ごづ。
 昼でも尚暗い路地に、鈍い音が響き渡った。次いで、砕けた眼鏡の破片が地に落ちる乾いた音。
 顔面に力任せの一撃を受けた竜彦の上半身が、プロボクサーのパンチでも食らったかのように大きく仰け反る。
「――おい、無事か!?」
「………………」
 更に、何かを斬り裂く湿った音。慌てて駆け寄った仲間が背後から妖獣を斬り伏せた音だ。
 だが、仰け反ったままの竜彦から応えはない。
 聞こえた舌打ちは誰のものか。
 未だ全ての敵を倒し終えていない今、悠長に安否を確かめている暇などないのだ。
 返事がないのを、返事が出来ないほどの損害と見て取った別の仲間が竜彦を癒そうと傍に寄り――ふと、彼の周囲を衛星のように周回する輝きに気がついた。
 どうするべきか逡巡し、動きを止める。
 既に他の仲間はゴーストに向き直っている。従って、それを目にしているのはただ独りのみ。
「ひひひ」
 その者とて、仰け反った時と同じ勢いで上半身を起した竜彦の肩が小刻みに震えている事には気付いても、その口から漏れた声が笑い声であるとは看破できなかったろう。
 動かない二人に替わって前線を支えている仲間の口から二度目の舌打ちが聞こえたのは、その時。
 質よりも数で攻める――ゴーストタウンに於ける敵側の基本戦術だ。
 全員がまともに動ければ押される事はそうないが、今は味方の内二人が動けないときている。流石に不利は否めない。
 リリスを打ちのめし、地縛霊の刃を避けて僅かに体勢を崩した所に襲い掛かるリビングデッド。
 避け切れないと誰もが思った次の瞬間、後方から放たれた一条の閃光が、黄泉返った死体を穿ち、貫いた。
 振り向けば、指先に淡い光の残滓を纏う竜彦の姿。
「ったく、やればできるんじゃないか……」
 味方に向けた言葉ではなかった。それは敢えて、言葉が通じるかさえわからぬゴーストに向けたもの。或いは独り言かもしれない。
 レンズの砕けた眼鏡の蔓を指でつまみ、やや乱暴にそれを外して除ける。
 既にその顔には怪我をした痕跡さえ残っていないが、それにしてもその貌はいやに歪んでいた。
 笑顔一つで此処まで不吉な印象を他人に与える人間も中々いるものではあるまい。
 一見すると愉しげにも見えるが、そう感じざるを得ない笑みであった。
 外した眼鏡を丁寧な手つきで胸ポケットに仕舞うと、思わず引いた仲間に肩を竦めて錫杖を構え直す。
 そうして眼前のゴースト達へ向き直り――
「どうせ一期一会の間柄だ。出し惜しみなんかしないでいこうぜ?」
 再び指先に光を集め、げらげらと声を上げて笑った。



『This may be fun……』

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 この作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する
 『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
 イラストの使用権は発注者に、著作権は大雪基地に、
 全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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2011.09.05 Monday

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